製造業の就業人口減少や企業の収益構造の急減な変化に対応する企業戦略が求められている.その立案に資するマーケティング分析及び経済分析を,思考・意志・行動の定量化と感性情報学により行うことが本研究拠点の研究目的である.
アメリカでは1990年から継続して国策として脳科学研究を支援しており,その成果は確実に産業界に波及している.EUでもNeuro-ITとして,ニューロインフォマティクスと人工知能の融合領域の基礎研究と産業界・経済界を組織化した(1998年).中国,韓国でも国立研究所を拡充している.我が国でもATR脳情報通信総合研究所や理化学研究所 脳科学総合研究センターが先導しているが,本拠点は、本学教員の強みを活かしたアプローチ,即ち商品やサービスに対するユーザーの行動分析とマーケティング戦略,経済戦略に特化させた研究を展開させる.
あらゆる商品・サービスを研究対象として,ユーザーの心理や行動を定量化し,商品開発・マーケティングやビジネス戦略に資する方法論・知見を見いだすことを目指す.
- 思考・意志・行動の定量化:研究分担者が既に実施している種々の測定評価に加え,MRIや脳波の測定は,他機関や研究分担者となっている株式会社NTTデータ経営研究所と連携して実施する.
- 情報解析とモデル化:知覚情報処理,知能情報学,感性情報学等を駆使し,1.の測定データを分析してモデル化する.
- マーケティング・経済分析:2.の分析データに意思決定問題の経済理論やミクロ統計データを用いた経済実証分析法を応用する.
本拠点は,上記1.〜3.の研究内容・方法に対応して,
で構成される。 このような各分野の研究者が連携して特定の課題に取り組むことが特徴である.また,株式会社NTTデータ経営研究所から応用脳科学及びマーケティングを専門とする2名の研究者が参画し,同研究所が関わる応用脳科学コンソーシアムや企業との連携を促進する. 本拠点の活動を通じて,学部生・大学院生のインターンシップ先の確保や,文理融合型教育研究のフレームワークとなることが期待される.また,文理融合科目や副専攻プログラムの設定などを検討する.
- 商品やサービスを研究対象として,その測定評価や特性分析を行っている研究者
- 計測方法や知能情報処理等のデータ分析の研究者
- 理論経済学,ミクロ計量分析,商品企画・開発法の研究者